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(開催報告)グローバル人材育成・確保フォーラム

              グローバル人材育成・確保フォーラム 開催概要

 内閣府沖縄総合事務局では、グローバル人材の育成方策として評価の高い、九州・アジア経営塾「KAIL*@ 」の事業モデルや県内事業者の取組について紹介し、これからの沖縄におけるグローバル人材育成方策のあり方や可能性に関する意見交換の場とすることを目的とした「グローバル人材育成・確保フォーラム」を開催し、企業の経営者や人材育成担当者ら約90人が参加しました。

 フォーラムでは、「九州・アジア経営塾『KAIL』について」と題し、特定非営利活動法人九州・アジア経営塾 古川 武史 プログラム・アドバイザーによる基調講演が行われました。講演では、九州アジア経営塾の設立の経緯について、「KAIL設立にあたっては、3年間にわたり、福岡を中心とした企業のトップ、行政幹部や大学学長などが入って議論を行ってきた。地域で人を育てるということはどういったことができて何をやるべきかという議論をした。企業だけ、行政だけではなく、産業界・行政・教育機関が一体となり、明確な目的意識を持ってできたのが九州・アジア経営塾であり、他地域のから注目を浴びている理由だと思う。」という経営理念の紹介がありました。

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【九州・アジア経営塾KAIL 古川氏講演】

 沖縄、バンコク、香港で「生け簀の銀次」など7業態21店舗の飲食店を展開する株式会社みたのクリエイト 末吉 弘晃 取締役執行役員COOからは、「グローバル人材育成及び外国人人材の活躍について」と題し、事例発表が行われました。事例発表では、組織開発に話が及び「組織の強みは多様性。組織の中に属している自分の立場、能力等を再認知(メタ認知)し、メンバー各人の強みを認識した上で、自分に何ができるかを考えないと組織としてのオリジナリティや力強さは出ない。」という企業マインドの重要性を主張されました。

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【鰍ンたのクリエイト 末吉氏 事例発表】

 最後に、慶應義塾大学 高橋 俊介 特任教授の進行のもと、特定非営利活動法人九州・アジア経営塾 古川 武史 プログラム・アドバイザー、株式会社みたのクリエイト 末吉 弘晃 取締役執行役員COO、株式会社新垣通商 新垣美佳 常務取締役により、「これからの沖縄のグローバル人材育成・確保について」をテーマにトークセッションが行われました。

 海外で活躍できる人材像について、古川氏は「判断の軸がぶれないこと、異文化の中に入ったとき、自分の価値観を大事にしながらも、相手の文化を受け入れることがグローバル展開をする上で大事だ。また、一人称で物事を考え、進めていけることも必要」と述べ、新垣氏からは、「沖縄の人は、スポンジのように吸収でき、型にはまらず飛び込んでいける人材が多く、チャンスを与えれば人材は豊富。」というお話がありました。また、高橋氏からは、「日本の社会構造(安心社会)の中では、発想が自己卑下的になりがち。一方、海外では、飛び込んでチャンスを取りに行くことが大事で、自分はやれるという自己高揚的な考えを持つ人が圧倒的に多い。場の空気を過度に意識する人は海外では難しい面があるのだろう。」というご指摘がありました。これを受け、末吉氏からは、アルバイトも含めスタッフを海外に送り出し、現地でのサービス手法の他、人材育成やマネジメントも学ばせており、海外での交渉のカードの切り方、スピード感を身につけてもらっているとの事例紹介がありました。

 グローバル人材育成の手法について、新垣氏は自身の米国、香港のUターン経験や米国留学後に出稼ぎで香港に仕事に出たこと、日本の存在価値が小さくなっていく中で、外貨を稼いでいくことを使命と感じていることや現場での経験以外にMini-MBA*A などでビジネスツールを学ぶことの重要性など自らの研鑽への意識のほか、マーケットリサーチのための人材を海外に送り出し、市場と対話し実践するという社員教育の事例紹介がありました。これに関連して高橋氏は、リーダーを育てる上での成功イメージの必要性を強調し、「行動する人は、成功イメージが出来上がっている。」という指摘がありました。末吉氏からは、部下を育てるためには、自発的な発想でイベントを企画する等取り組むことで、自己肯定感ができ、行動に繋がっているとの自社の人材育成の紹介がありました。

 外国人を含めた多様な人材活用することについて、高橋氏から「Iターン、Uターン、Jターン*B という人材の還流が注目されており、外国人も含め、様々な人材の活用チャンスがある」とのアドバイスがあり、古川氏から福岡県のポンプを作っている会社(本多機工)では、社員の約8割が外国人で、その社員は日本で学んだことを自国などで活かしてビジネスを成功させたい、など目的意識を明確に持っている外国人を採用しており、定着率も高いとの事例紹介がありました。

 地域における人材育成について、古川氏は「KAIL構想のベースとなる会議において地域のトップは、「自分を育てた地域に貢献すべき」との明確な意志を持っていた。地域で人を育てる仕組みを作るためには、資金と仕組みを作り上げるための人材が必要であり、特に、地域、日本のためにどう貢献していくかということを本当に思っているリーダーシップを持ったトップが必要だろう」とポイントを示していただきました。高橋氏は沖縄総合事務局と関係支援機関等連携事業であるグローバル人材育成のプラットフォームの設置検討に触れ、沖縄では様々な支援機関が様々な人材育成の取り組みを実施しているものの、効率的・効果的な観点で疑問があることや公的支援に依存せず地元の企業経営者が、受益者の立場で一肌脱いで地域のために人材育成を推進していくことの重要性を指摘されました。

 結びに、高橋氏から「人材育成は経費ではなく投資である。長い目で投資を続けていかないといけない。沖縄の社会でも、いろんな人が結集して、議論を重ね、沖縄の人材育成に取り組んでもらいたい。」と総括いただきました。

 参加者アンケートからは、「沖縄はもとより全国・世界で活躍できる人材育成を実現するためには、“スピード感を持ち”“、”自分の軸を持ち相手の軸を見ること“、”一人称で動ける人“等、が大事なのか分かった。」「自分が行動して行けるように、改めて自分を見つめ直していきたい。」「海外で実際にビジネスをしている企業の話を聞いて人材の確保や育成方法などを学ぶことができた。参考にしたい。」などのコメントをいただきました。

 今回のフォーラムを通して、海外で活躍できる人材像としては、自らの判断軸を持ちつつ、異文化や価値観を受入れ、スピード感と、成功イメージを持つことが必要であり、その上で、理論をしっかりと学びつつも、海外に出て実践を積み重ねることの重要性が示されました。また、企業のグローバル化に向けては、産業界・行政・教育機関が一体となった仕組みが必要性と、地元の企業の経営者が地域のために貢献する企業マインドの重要性が浮き彫りにされました。沖縄総合事務局では、産業界・行政・教育機関の連携について検討するグローバル人材育成プラットフォームを設置し、より効果的に施策を展開できるよう、引き続き取り組んで参ります。

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【トークセッションの様子】

◆本フォーラムは、平成26年度グローバル人材育成・確保に関するプラットフォーム設置検討事業の一環で行われました。また、本事業は、株式会社海邦総研に委託して実施しております。
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*@特定非営利活動法人九州・アジア経営塾 KAIL
 九州から、アジアを始め世界各国で活躍するビジネスリーダーを輩出することを目的とした経済塾。九州経済の活性化を担う人材を、長期的かつ計画的に育成するために、ミドルや若手、エグゼクティブ等あらゆる階層を対象に独自性と魅力ある講座を提供している。

*AグロービスMini-MBA沖縄講座
 沖縄県の万国津梁産業人材育成事業の一つ。県内企業の経営者層・中核人材をターゲットとした連続講座を、国内トップクラスビジネススクールであるグロービス・マネジメント・スクールと共同企画して実施している。

*BJターン
 地方から都市部へ移住し就職した後、故郷にほど近い中規模都市に戻り、定住して再転職することをいいます。

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